こんにちは、探検大好きシュンぺー(@PackerJohnny)です!
今回はなんと、ふだん立ち入ることができない鹿児島県伊佐市にある金鉱山「菱刈鉱山」の地下坑道に、特別に取材で入らせていただきました!
地下にひろがる坑道の中は、想像を超えるスケールと技術の連続。金が掘られている現場はもちろん、採掘時の”副産物”を活用する施設や鉱石を選別する様子まで見せてもらえるとても貴重な体験となりました。
ということで、写真盛りだくさんでお届けする地底探検レポート、はじまりはじまり〜!
実は2022年にも伺ったことがあり見学は今回2回目!その際の内容や撮影した写真も織り交ぜてご紹介します。
金鉱山って今も日本にあるの?伊佐市「菱刈鉱山」とは?
今も稼働している金鉱山が日本にあるって、知っていましたか?
実は鹿児島県伊佐市にある住友金属鉱山株式会社菱刈鉱山は、世界トップクラスの高品位な金を採掘する、国内唯一の現役金鉱山。
しかも出鉱が始まったのは1985年と、意外に新しい歴史を持つ鉱山でもあります。かつて日本を代表する金山だった新潟県佐渡金山の3倍以上の金を、わずか10分の1の40年で産出しているというから驚きです!
今回は、伊佐市役所の方や地域おこし協力隊のみなさんと一緒に、特別に内部を見学させていただけることに。ワクワクしながら現地へ向かいました。

菱刈鉱山は個人では見学できません。今回の取材は、住友金属鉱山株式会社様や行政との調整を経て、特別に許可を得て実現したもの。それだけに「見る価値あり」のとても貴重な体験となりました🙇
地下坑道へ!ワクワクの潜入スタート
さあ、いよいよ菱刈鉱山の坑道へ!

地下へは車輌に乗って移動します。まるで秘密基地へ向かうかのような高揚感…!

どんどん降りていくと酸素濃度が薄くなり息苦しく…とはなりません😊
坑道内は空気が循環する設計になっていて、作業員の方も安全・快適に働けるよう工夫されているそうです。

そして坑道内にはWi-Fiも!?
菱刈鉱山では坑内外の情報インフラ整備や、重機の無人化・リモート化の推進など、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の導入に取り組まれているそうです。

坑道はまるで迷路のよう。
その中をトロッコ…ではなく、作業車や重機が走行していました。

イメージしていた鉱山とは違う、最新の科学技術が導入された最先端の鉱山の現場がそこにはありました。
金を掘ることと鉱山の“副産物”
金を掘る?石を掘る?
奥へ進んでいくと、なにやら神秘的な岩壁が…!

白や黒など色が異なる帯状部分わかりますか?ここに金が含まれているそうです!

金の塊があったりする訳ではないんですね〜肉眼ではどれが金かわかりません😅
岩壁を発破で砕いた後、金が含まれた鉱石を取り出すそうです。

鉱山の“副産物”それは…
坑道脇を見ると何やら流れているものが…
それははなんと「温泉」!
菱刈鉱山の金鉱床は、地表の割れ目に地下のマグマに熱せられた水が入り、その水に溶けだした物質が冷えて固まった「浅熱水性鉱脈型金銀鉱床」というタイプで、約65℃の温泉水を伴っているのが特長とのこと。

鉱石の採掘前にはまず地中周囲の温泉水の水位を下げる作業が必要になるため、地中から温泉水を抜く「抜湯設備」が設けられていました。

そして、抜かれた温泉水はポンプを使って地上に汲み出された後、その一部は近くにある湯之尾温泉に供給されています。
金鉱山から湧き出た湯に浸かることができるなんて最高ですねぇ〜🤤
「見えない金」を見つける人の目と技術力
坑道内を見学したあとは、金鉱石の選別工程へ。

採掘された鉱石は細かく砕かれた後、機械と、なんと「人の目」も使って金が含まれている石とそうでない石とに選別されます。!
長年の経験で石を見極め、その正確さはなんと機械以上とも。凄すぎです!
こうして選ばれた鉱石は、愛媛県の製錬工場へ運ばれ、美しい金として姿を現します。
見学を終えて
見学を終えてまず驚いたのは、かつての「きつい・汚い・危険」といういわゆる3Kのイメージをくつがえす、クリーンで明るい整備された現場の姿でした。
田んぼが広がるのどかな風景の中に、こんな最先端の金鉱山があるなんて…まさに自然と産業が共存する場所。
目に見えない金を探し出す高度な技術と、最後に頼りにされる「人の経験」。どちらが欠けても成り立たない現場に、日本のものづくりの底力を感じました。個人では入れない貴重な現場に招いてくださった皆さんに、心から感謝します。
そして見学のあとは、採掘時に湧き出る温泉が流れ込む「湯之尾温泉」で、身体も心もぽかぽかに。金鉱山の旅の締めくくりに、最高のご褒美でした😊

※記事の情報は2025年6月16日現在のものです。
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